
京都府立医大附属病院の緩和ケア科と地域の訪問診療医療機関をオンラインでつなぎ、勉強会を開催していただきました。
初回は症例検討形式で、大学の医師の先生が「このような患者さんがいて、このような状況で看取りました」という実際のケースを10分ほどでご紹介くださり、非常に示唆に富む内容でした。
薬の投与方法には、内服、坐薬、注射の三つの経路があり(貼付剤も含めれば四つになります)、患者さんの衰弱が進んで内服が困難になっても、必要な薬剤は何らかの形で投与し続ける必要があります。では、どの薬剤を、どの投与経路で、どの優先順位で使うのか——それが今回の主な議題でした。
病院に入院していれば、胃管を用いた経管投与や点滴ルートの確保といった選択肢が比較的容易に取れますが、在宅ではそうはいきません。看護師さんが一日に何度も訪問するとなれば、他の患者さんのシフト調整も必要となり、医師・看護師・薬剤師・事務部門など多職種が連携しなければ、質の高い在宅医療を維持することは困難です。在宅での薬剤投与の優先順位は、総合病院でのそれとは大きく異なる場合があるのです。
また総合病院と在宅医療の双方を経験した医療従事者は決して多くありません。総合病院か在宅医療の世界へ移る方は一定数いますが、その逆はほとんどいないのが現状でしょう。
つまり、医療者の多くは総合病院の事情には精通している一方で、在宅医療の実情については十分に知られていないというギャップが存在します。在宅医療のシステムを理解していなければならない場面が数多く存在します。
だからこそ、今回のように二つの「世界」の住人が率直に意見を交わす場は非常に貴重であり、有意義な時間だと感じました。また、普段はなかなか経験することのない症候の緩和的マネジメントについても、今回の勉強会を通じて整理し、自分なりにマニュアル化する準備ができたことは大きな収穫でした。
この勉強会で得た知見を、ぜひ日々の診療の中で患者さんに還元していきたいと思います。月に一度、このような学びの機会を持てることをとても嬉しく感じています。

